サンダーソフトジャパン株式会社(所在地:東京都品川区、代表取締役社長:今井正徳、以下サンダーソフト)は、本日、IoT機器上でAI機能を提供するスマートIoT製品向けの開発プラットフォーム「Thundercomm TurboXTM SoM (System on Module)」を、株式会社マクニカ ブリリアント テクノロジー カンパニー(本社:神奈川県横浜市)および アロー・エレクトロニクス・ジャパン株式会社(本社:東京都港区)を通じて日本市場向けに提供開始することを発表しました。
IDC Japanの予測(2018年3月14日発表)によると、国内IoT機器の市場規模は2022年まで年間平均成長率14.9%で成長し、市場規模は12兆4,634億円(2017年の実績は6兆2,286億円)に達すると予測されています。一方、IoT機器で得られる膨大なビッグデータをより効率的に処理するために、IoT端末側にAI機能を持たせ、データ分析や判断などの処理を端末側で分散的に行うエッジコンピューティング技術が求められるようになっています。サンダーソフトでは、IoT端末側で画像認識、画像処理や音声認識、音声処理などのAIアルゴリズムを実行するエッジコンピューティング技術を開発し、「Thundercomm TurboXTM SoM」(以下TurboX SoM)を通じて提供することで、スマートIoT製品の開発支援と市場拡大を牽引していきます。サンダーソフトでは、同製品の初年度企業導入数100社を目指します。
組込みAI製品の開発期間を短縮するTurboX SoM
TurboX SoMは、AIを組込んだ高品質なスマートIoT製品の開発を容易かつ短期間で行えるようにするための開発プラットフォームです。コアコンピューティングモジュール、オペレーティングシステム、AIアルゴリズムとSDKの統合ソリューションで、開発ボードやコミュニティサービスでのサポートも含まれています。今回のTurboX SoMの開発にあたっては、サンダーソフトとクアルコム社の両社で設立されたIoT研究開発の専業合弁会社、Thundercomm Technology社が行います。TurboX SoMは、CPUの性能に応じて、クアルコム社の提供するSnapdragon ™ (APQ8053Pro、APQ8096、SDA845、MDM9206)が搭載されたモジュール4種類から構成されています。
SoM製品名称 | 使用 SoC |
Thundercomm TurboX S626 | Qualcomm® APQ8053Pro プロセッサー |
Thundercomm TurboX D820 | Qualcomm® APQ8096 プロセッサー |
Thundercomm TurboX D845 | Qualcomm® SDA845 プロセッサー |
Thundercomm TurboX S9206 | Qualcomm® MDM9206 LTE モデム |
サンダーソフトは、今回同時に、開発者向けの組込みAI開発・検証キット「Thundercomm TurboXTM AI Kit」(以下AI Kit)を日本で提供します。「AI Kit」は、D845 SoMを搭載したBox型コンピュータで、OSはAndroid及びLinuxをサポートし、Qualcomm® Snapdragon™ 上で組込みAIアルゴリズムを実行するQualcomm® Snapdragon Neural Processing Engine(SNPE)の開発環境と、サンダーソフトが開発した高性能AIアルゴリズムライブラリを提供します。開発者は、このAI KitによりQualcomm SDA845プロセッサーの持つ高性能なSNPEを活用して、高度な画像認識や音声認識などのAIアルゴリズムと、高解像度カメラ、Wi-Fi、 BT、 GPSなど多彩な機能を組み合わせて、迅速な開発・検証・実証実験が可能となります。想定されるスマートIoT機器は、ゲートウェイ、ロボット掃除機、デジタルサイネージ、医療機器、VR/AR、自動販売機、産業向けタブレット製品、ロボット、ドローン、スマート監視カメラなどが挙げられます。
製品出荷について
TurboX SoMとAI Kitの両製品とも、アロー・エレクトロニクス・ジャパン株式会社および 株式会社マクニカ ブリリアント テクノロジー カンパニーを通じて販売されます。まず、TurboX SoMのThundercomm TurboX D820の受注を11月1 日から開始し、その他のSoM製品については随時発売していきます。AI Kitは11月1日から予約を開始し、2019年1月中旬より出荷開始します。
クアルコムジャパン合同会社 代表社長 須永 順子氏からのエンドースメント。
「クアルコムの無線通信、マルチメディア、AIでのイノベーションは、電気製品、ロボット、コネクテッドカメラなど、エッジコンピューティングが求められるIoT機器でますます重要性が高まっています。Thundercomm TurboX SoMの発売開始により、
クアルコムの最先端ソリューションをより多くのお客様に届けることが可能になり、日本のイノベーターをサポートすることでIoTの進化を加速することに貢献できることを嬉しく思います。」
アロー・エレクトロニクス・ジャパン株式会社 代表取締役会長兼社長 高乗 正行 氏からのエンドースメント。
「アロー・エレクトロニクス・ジャパンは、IoT時代に向けたシステムソリューションをお届けすることを目指しビジネスを拡大してきました。Thundercomm TurboX SoMはこの方向性に沿った製品で、弊社の持つ多くのお客様のニーズに応えることができます。また、弊社グループの電子部品ネット通販サービス『チップワンストップ』より、当該製品を1つから当日出荷体制にて、さらに多くのお客様のご期待にお答えしていきます。」
株式会社マクニカ ブリリアント テクノロジー カンパニー プレジデント 手柴 勝一 氏からのエンドースメント。
「マクニカは今後の大きな成長が見込まれるIoT市場に向け、幅広い商材を揃え積極的なビジネス拡大を行っております。これまでマクニカが構築してきた幅広いお客様とのリレーションシップ、技術サポート力とサンダーソフトの開発力、TurboX SOMの組み合わせにより、最新のAI、IOT技術を活用した革新的な製品をお客様へ提供してまいります。」
サンダーソフトジャパン株式会社 代表取締役社長 今井 正徳は、次のようにコメントしています。 「サンダーソフトは2008年の創業以来、モバイルデバイス業界を牽引するクアルコム社と戦略的な提携をすすめ、2010年にはQRD(Qualcomm Reference Design)開発を行う共同ラボを中国に設立しました。今回のTurboX SoMの提供は、こうした共同プロジェクトで培ったクアルコム社製チップセットに関するハード、ソフト双方の知識や経験をIoT機器の分野に拡大するものです。また、当社では、市場ニーズの高い画像認識、音声認識、音声処理といったAIアルゴリズムを開発しており、中国におけるAI企業ランキングでも高い評価を得ています。今後もクアルコム社との提携関係をより一層深め、スマートIoT機器の分野でもエコシステムを構築していきます。」
サンダーソフトについて
中国・北京に本社を置き、深セン証券取引所(300496.SZ)に上場するサンダーソフトは、モバイルOSとスマートデバイス・ソリューションで世界をリードするスマートプラットフォームプロバイダーです。同社は現在、ソフトウェアとハードウェアを網羅するフルスタック・エンジニアのリソースを通じ、さまざまな市場(スマートフォン、タブレット、IoT、自動車、エンタープライズなど)にソリューションとサービスを提供しています。サンダーソフトは、OS(Android、Linux、Windowsなど)に関する専門知識、ソフトウェアとアルゴリズムの広範な技術ポートフォリオ、主要半導体ベンダーとの戦略的パートナーシップ、グローバルなサポート体制を誇ります。こうした資産によって、短い開発期間で高品質かつ革新的なスマートデバイスの展開を目指す全世界の企業から、パートナーとしての評価と信頼を獲得しています。サンダーソフトは、中国に研究開発センターを置き、日本、韓国、米国、インド、マレーシア、フィンランド、ブルガリアを含めて21のオフィスでグローバルに事業を展開しています。詳細については、www.thundersoft.com/jp/ をご覧ください。
※ThunderSoftは、中国およびその他の地域におけるThunder Software Technology Co., Ltd.の登録商標です。(登録申請中)
※Qualcomm、Snapdragonは米国及びその他の国々で登録されたQualcomm Incorporatedの商標です。Qualcomm APQ8053Pro、APQ8096、SDA845、MDM9206、Qualcomm Neural Processing EngineはQualcomm Technologies, Inc.またはその子会社の製品です。